当社は、自治体主催のDX人材育成講座において、参加いただいた受講者のデジタルスキル向上を支援し、地域のデジタルトランスフォーメーション推進をする人材育成講座をさせていただきました。 本講座では、最新のデジタル技術や業務プロセスの革新手法を座学で学んでいただきつつ、受講者の方に実務で即活用できるスキルを実際のプログラミングを体験していただきながら習得していただきました。
DX人材育成講座の開催概要
- 開催回数:全3回(座学→PoC作成を3回、3回目に最終発表)
- 形式:座学+ワークショップ+発表
- 実施期間:1カ月×3回
- 業種: 製造業、サービス業、印刷・デザイン企業、建設業、小売業等
- 職種:経営者、管理職、DX推進担当者、IT部門スタッフ、現場リーダー層等
- 参加人数:25名前後
DX人材育成講座|参加者のニーズ
本講座には、日々の業務に追われる中で「仕事は忙しいがどうやったら楽にできるか分からない」「日々の仕事のどの部分が楽になるのか知りたい」といった思いを抱えた方に多く参加いただきました。
特に、これまでITツールを活用した業務効率化の経験が少ない参加者も多く、次のような声が多く聞かれました。
- 自分でITツールを作れるとは思ったことがないが、可能ならその方法を知りたい
- 仕事は大変だけど、どこから手を付けていいかわからない
- どのように進めれば効果的なのかが分からない
- 同じような作業を毎回やっているから非効率だとは思うけど、ITでどのように楽にできるかがわからない
- 他の人に教えたり、各自が工夫してしまっていて自分の担当以外の仕事内容が分からない
事前にいただいた声に基づいて、本講座では業務の可視化からITツールの使い方・導入の仕方まで、基礎知識の習得から具体的な解決策の検討・実行までを3日間で実際に手を動かしながら、一緒に学んでいただきました。
DX人材育成講座|開催内容
本講座には、参加者が自分の業務を効率化するための具体的なスキルを習得し、実践に繋げられることを目的に、以下のようなステップで進めました。
- 座学|業務フローを作成する目的や改善点を見つける方法
自分の部署がやっている様々な業務の内、どこに取り組むのか?また日々の業務を「全体の流れで捉える」目的と作成のポイントを座学で学んでいただきました。 - 業務フローの可視化
自身の業務をフローチャート化し、業務の流れや使われているデータ、情報を明確にしました。自分がやっている業務を客観的に見てみて、メイン業務とイレギュラー業務は何か?を改めて整理することで、「効率化できる業務」を発見する基礎を作りました。 - 座学|効率化できる業務を特定する方法
自分達で書いた業務フローから効率化できる業務を特定する方法を座学で学んでいただきました。1回あたりの負担だけではなく、月間や年間での回数や合計の負担を試算しながら効率化方法で「どれだけ効率化できるか?」を考えていただきました。 - 効率化できる業務の選定
座学をふまえてえ「どの部分が楽にできるのか」を検討し、改善が見込まれる業務をディスカッションしながら。実務に直結するアイディアを持ち寄り、議論を深めました。 - アプリケーションのプロトタイプ作成
業務の目的を整理した上で、実際にマクロやGoogle Apps Script (GAS)、簡易的なWEBアプリを使い、日常業務を支援するツールを作成しました。要件定義やコード作成、作成したコードの設定等も生成AIをはじめ、様々なツールを使って簡単に作れることを体験していただきました。 - デバッグと改良
作成したプロトタイプを参加者同士でテストし、不具合を修正していただきました。初日には動いたけど、第2回では動かない等、様々なエラーを自分達で解決しながらITの基礎知識を身に着けていただきました。更に、使いやすさや機能性を高める改良案を出し合い、実装にチャレンジしていただきました。 - 最終発表
最終回では成果物を発表していただきました。他の参加者や講師からのフィードバックを受け、実際の業務導入に向けた改善点を明確化しました。
DX人材育成講座|参加者の声
最後に本講座に参加いただいた方々の声を御紹介します。
「最終発表では、自分が作成した『コーヒーの注文受付アプリ』について発表しました。お客様が選択した内容が自動的に在庫管理と連動する仕組みを説明したところ、参加者の方から『デザインをもっと見やすくするとさらに良くなる』とフィードバックをもらいました。講師からも『次はデータ分析機能を組み込むとより価値が出る』とアドバイスをもらい、次へのモチベーションが高まりました。(建設業・IT部門スタッフ・男性)
私はこれまで、プログラミングなんて無理と思い込んでいました。でも、Google Apps Scriptを使ってみたら、案外簡単に作れることが分かり、「自分にもできるかも!」と自信を持つことができました。今回作ったツールは、社内の経費申請を自動化するアプリです。以前は紙ベースで時間がかかっていましたが、これで数分で完了するようになり、周りのスタッフからも好評です。もっといろんな業務で使えそうなツールを考えてみたくなりました。(サービス業、管理職、女性)
これまで、自分がどのように業務を進めているのかを整理したことがありませんでしたが、フローチャートで業務全体を可視化してみると、無駄な作業や非効率な流れがよくわかるようになりました。例えば、製造現場での資材発注業務で、担当者が毎回手動でデータを入力している部分が無駄だということが感覚だけではなく、客観的に理解することができました。今後、この部分を更に効率化・自動化する方法を考え、改善を進めたいと思います。(製造業、現場リーダー、男性)
今回、社内の在庫管理を効率化するためのアプリを作成しました。特に印象的だったのは、ユーザーインターフェースの設計を考えるプロセスです。現場スタッフが使いやすい画面構成にするにはどうすればいいか、チームで議論しながら進めた結果、とても直感的で分かりやすいツールが完成しました。講師からも『実用的な仕上がり』と評価されて、これからもやっていけそうだと思うことができました。(印刷・デザイン企業、男性)
講座の中で、建設業の方が現場作業を簡略化するツールを提案しているのを聞いて、自社でも同じようにできないかと考えました。私は小売業なので、商品在庫の確認や注文処理を自動化するアプリを作ってみたのですが、他の参加者からのアイディアが本当に参考になりました。普段接点のない業種の方と意見交換する機会は貴重で、新しい視点が得られました。(小売業、経営者、女性)