当社では、電力会社様の調達購買組織において、コア事業への注力に向けた業務省力化及び調達購買機能の高度化に向けた「あるべき姿」の策定を支援させていただきました。
また、目指すべき姿に向けて、異動や調達購買業務の習熟、ノンコア業務の外部化や効率化ツールの導入等を踏まえた移行計画を策定させていただきました。
ご存じの通り様々な費目が値上がり基調のなかで、調達購買業務自体の難易度も日に日に高くなってきています。更に、歴史ある企業であるほど、様々な企業との深い信頼関係もあります。
1つの業務をとっても軽々に「コア業務/ノンコア業務」と定義することは難しく、定期的な異動がある人事精度や人員の採用難易度上昇等、あるべき姿の策定・移行計画の策定共にプロジェクト開始当初の想定難易度はかなり高い物でした。
調達購買組織のあるべき姿及び移行計画の策定概要
- 期間:3ヵ月
- 形式:オンラインMTG中心+数回のオフサイトMTG
- 最終報告:あるべき姿および移行計画書の報告と納品
- クライアント ご担当者様:経営企画室・調達購買部 ご担当者様
調達購買組織のあるべき姿及び移行計画の策定|プロジェクト開始前後の声
本取組みは、元々経営サイドから業務を見直し、コア業務を見定め、人員を集中する具体的な目標がでていました。一方で、日々の業務にも追われる中で、十分な検討余力を捻出することも難しく、外部知見を活用した検討の力強い水深が求められていました。
実際にプロジェクトの開始前後では様々なお話を伺いました
- 本取組み自体には全員が前向きであるが、具体的かつ実行可能なプランである必要がある
- 調達購買業務といっても様々な費目と業務があり、金額や取引先で難易度が変わる。
コア業務/ノンコア業務の線引きは難しいのではないか - 採用したばかりの人材が多く、更に人材を採用することは難しい
- より多くの業務を外部化するにあたってインセンティブが無いとモチベーションにつながらない
- 習熟や新担当への業務移行にあたってマニュアル等の整備やスキルの習熟期間の考え方が分からない
直接のご担当者様だけでなく、グループ会社様やお取引先様を含めて、ヒアリングやディスカッションを重ねさせていただきました。
調達購買組織のあるべき姿及び移行計画の策定|プロジェクト推進のポイント
本取組みを推進するにあたり、次のポイントがありました。
- 深い業務理解に基づく現状の業務内容整理
調達購買業務の内、費目や取引先・契約金額等を業務プロセスと掛け合わせて業務難易度を分類させていただきました。見積依頼や提案後の契約締結業務等の締結をノンコア業務として整理するだけでなく、契約パッケージ(物品と役務等)を見直す等も行い、単価改定や積算等もシステム化・自動化を含めてノンコア業務への変更余地を整理させていただきました。 - 明確化されていない社内共通認識の具現化と共通認識化
移行計画を策定するなかで現行の「人員の職歴・スキルセット・今後の想定キャリア」の整理が“理解はしているが資料には落ちていない”といった状況でした。異動や出向などの既存制度の中で、現行の人員や保有機能、そして今後の見通しを整理させていただきました。 - 調達購買経験・業務効率化経験の活用
現状の整理でもあるべき姿の策定でも、全体の推進に役立ったのは「調達購買経験・業務効率化経験の活用」でした。具体的な業務内容に踏み込み、業務内容の峻別、効果が高いと想定される業務効率化対象の特定を迅速に行えたことが全体の検討スピード向上に寄与したと考えています。 - 事業計画をもとにしたあるべき姿の策定
事業計画をもとに調達購買組織が具備すべき機能を再度協議させていただき、保持すべき業務や体制を整理させていただきました。 - 重要イシューに絞った議論による実現に向けた移行計画の策定
AsisとTobeをうめる移行計画の策定では、現行のスピードで具備できる事項を整理させていただきました。同時に、それだけでは埋められない差を如何に実現するか?ボトルネックは何か?本当に必要なものは何か?を何度もディスカッションさせていただき、計画としてまとめさせていただきました。
以上を踏まえて「あるべき姿」と「移行計画」を策定し、最終報告をさせていただきました。当初、現状の整理や業務の分類ができるのか懐疑的な声もいただきましたが、最終報告内容はご理解をいただき、前向きに検討をいただくことができました。
特に、「なんとなくわかっているが、明確には分からない」といった事項の可視化・整備は、様々な企業でも「やり切れていない」ことも多いと共に、十分なリソースを割くことができない場合が多いです。そこを外部への委託を通して明らかにさせていただいたことで、全体の検討スピードが上がったように思います。